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若手指揮者のパリ管デビューはいくつも見てきました。
練習中の団員の私語に業を煮やし、完全な沈黙が訪れるまで何度も練習を中断させ、その度に辛抱強くじっと待っていたのが印象的なアラン・ギルバート、シャトレ座のピット内での楽器配置をめぐるゴタゴタに巻き込まれ泣き顔寸前だったフィリップ・ジョルダンなど、売れっ子になった今では拝んでも来てもらえないかもしれない彼らの苦いデビューに対し、初めから相性良くリラックスムードで何事もスムーズに運ぶ幸福なデビューもあります。後者の代表は佐渡裕さん。 今週の地方公演はフランス南西部の保養地アルカションでミシェル・プラッソンが振る予定でしたが、健康上の理由でキャンセルになり、その代役として白羽の矢がたったのが9月にブザンソンのコンクールで優勝したばかりの日本の若手、山田和樹さんでした。 プログラムはプラッソンのものから変更なし。フォーレのペレアスとメリザンド、ビゼーの交響曲、ベートーヴェンの第七交響曲。ソリストなしで指揮者の実力が試される一筋縄ではいかない演目です。日本の若い指揮者のレヴェルが高いのは知っていますが、ただでさえ口うるさい連中ぞろいのオーケストラで経験少ない若手がどう料理されるか、正直に言って少々不安でした。 結果を先に言ってしまえば、公演は大成功裡に終わりました。 すでに最初の練習から彼の持っている自然で表情豊かな音楽と、ひとむかし前の日本人を思わせる謙虚な人間性がオーケストラに浸透し、いつもは手厳しい団員たちからも大きな賛同を得るに至りました。 「コトバ初めにありき」のこの国で、コトバによる交流は最小限に抑えながら、表情や姿勢でここまでココロを伝えることができるということ、そしてアイデアが確実に音に具体化されていくさまをこの眼で見て、ほとんど奇跡的なものを感じたくらいです。これは持って生まれた人間の器が成せる業なのでしょうか。 ご本人とじっくり話す時間を持てませんでしたので、今回彼が本当にしたかったことが短い時間でどこまで実現できたのかどうかはわかりません。いずれにせよ、これからの山田さんの更なる大成を祈ります。 来週は次期音楽監督パーヴォ・ヤルヴィが来演してビゼーの同じ曲を披露、そしてパリ管との初CDの録音をします。またまた降り番が廻ってきて報告ができないのが残念。ちなみにCDのカップリングは「子どもの遊び」「ローマ」だそうです。
by eiichichijiiwa
| 2009-11-14 05:55
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